
茨城県つくば市をメインに県内で防災講座やアウトドアワークショップなどをさせていただいています。
「命を守るための備え」やサバイバル技術などを中心にお伝えしているのですが、今日は機会があればお話させていただいている私が考える「誰でもすぐできる一番の災害対策」について。
それは「いつしんでもいいように生きる」ということ。
災害対策をしっかり考えていると「今この状況で大災害が起こったら?」「自分や大切な人はどんな状況?」など、自分や大切な人を取り巻くリスクと向き合うことになります。
その中で、どんなに備えていても無理だろうという状況を考えることもあります。
そのときに初めてその状況に直面すると「あのときああしておけばよかった」「こうしていたら助かったのか」など後悔や自責の念が押し寄せることもあるでしょう。
私にとってはそれが一番嫌なことです。
考えてみれば、人間は生きている限り「死」のリスクがあります。
一歩外へ出れば事故や事件に巻き込まれるリスクもゼロではありません。
どうすればいいのか…。
それは「今目の前にいる大切な人を大切にすること」「今目の前にある大切なことを大切にすること」
これしかないです。
備えに取り組む中で「自分は何が譲れないか」を考えることはとても重要です。
ある人にとっては快適に寝ることが一番かもしれないし、ある人にとっては美味しく食べることが一番かもしれないし、ある人にとっては命さえあればそれでいいかもしれないし。
みんなそれぞれ感じ方が違います。
その自分のギリギリを見極めるために日常から備えて試してみて自分が納得いく「自分ならではの備え」にしていくことが大切です。
私はいざというその時に後悔するのが一番嫌だなと思うので、できる限りの想定と備えをするし、家族から離れるときは毎回「これが今生の別れかも」という気持ちで別れます。
毎日子どもを学校へ送り出すときには抱きしめて「いってらっしゃい、気をつけてね」をするし、一人で遠出をする用事があれば「もう家に帰ってこられないかもしれない」と思いながら「いってきます」をします。
そして、無事帰ってくれば「よかった!」と思って「おかえりなさい」をするし、無事帰ってこられればほっと胸を撫でおろしながら「ただいま」を言います。
それを意識しているだけでも家族とのコミュニケーションが変わりますし、家族と離れている時間にすることは「それだけの価値があることなのか?」を問うようになるので、時間の密度みたいなものが変わります。
少なくとも「行っても行かなくてもいいけどとりあえず行く」みたいな行動は減りますし、行ったからには悔いのないような内容にする、という意識も生まれ、どんどん日常が濃くなっていきます。
「いつしんでもいいように生きる」
何の準備もいらず誰でも今この瞬間からできることだと思います。
大災害は今日起こるかもしれないし30年後かもしれない。けれどいつか来る。
ということがわかっているのであれば、後悔のない日々を楽しんでいきましょう!
「永遠に生きるかのように学び、明日死ぬかのように生きる」を実践する毎日です。