
よく「備えに大型のバッテリーって必要ですか?」と聞かれるのですが、「絶対に必要」とは思ってないので一言では答えられなくて難しいなーと感じています。
もちろん、自家発電設備や大型のポータブル電源などがあれば安心感はありますが、停電時に何が使いたいか、何が使えないと不便か、ご家庭や人によって様々な感じ方があるので、必要ない場合もあるし、必要な場合もあるのがリアルなところかなぁと考えています。
ここでは「自分の場合はどう考えればいいのか」の参考になるように、電気の備えについてまとめていきたいと思います。
家での備え
まず家での電気の備えについて。ソーラーパネルなど自家発電設備があるのであれば安心感がありますね。
そうでない場合に、発電機や大型ポータブル電源は必要なのか…。
これを考えるときには、被災時、停電時に電気の力を使って何をしたいかを考えることがまず大切です。
電子レンジや冷蔵庫、ドライヤーなどを使って普段と変わらない生活を送りたい
という方であれば大容量でパワーがある電源が必要になりますが、
調理不要の非常食を備えているし、不便な生活は覚悟してますんでっ!
という方であれば最低限、スマホとライト類の充電ができるものを備えておけばいいのではと思います。モバイルバッテリーを複数台持っていれば十分ですというご家庭もあるでしょう。
あとは、在宅避難ができている環境なら仕事を中断できない、という方もいると思うので、そういう方は仕事用にパソコンが動かせる電源があった方がいいですよね。
子どもがSwitchや動画がないと気が狂うとかいう場合も、もしかしたら大容量の電源が必要かもしれません。
非常時にどこまで普段の生活に寄せたいか、我慢できそうなのか、自分や家族はどこまで我慢できるのか、何が最低限必要なのか、そんなことを整理してみると各家庭の必要な電気の備えが見えてくると思います。
★こう考えると「普段から電気のいらない遊び(お絵かき・ぬりえやカードゲームなど)で楽しめるようにしておく」というのも立派な防災・備えなんですよね~!!
我が家の場合
ちなみに我が家の場合、
- 非常時に必要な電気はスマホとライトの充電くらい
- でも冬キャンプで電気毛布を使いたい
という思惑があったので、そこまで大きくない、中型くらいのポータブル電源を用意しています。

大きすぎると重くて普段のキャンプとかで持っていくの億劫になりそうだし、家電を動かしたいわけじゃないからそんなにパワーとかなくていいよね。むしろバックアップのことも考ると最低限の容量のものを2つ持ってた方がいいんじゃない?
という考えで決めました。(今はとりあえず1台しか持ってませんが、我が家にあるものはバッテリーのみ複数個買って交換できるというのも決め手でした。)
このバックアップという考えもとても重要で、ポータブル電源があったとしても「それが尽きたらどうする?」という問題が必ずつきまといます。
そこで複数台持ち、ソーラーパネル充電、手回し充電などの備えが挙がってくるわけですね。このあたりもそれぞれのご家庭で何が運用しやすそうか考えてみてください。(バックアップについては長くなりそうなので別記事でまとめようと思います。)
防災リュック(非常用持ち出し袋)の備え
非常時に家が危険な場合に外に持ち出す防災リュックの備えも同じように考えればOKです。
「避難場所や避難所で電気の力を使って何がしたいか」。
ただ、防災リュックを考えるときにみなさんが不安になるのが「それだけで何日凌げばいいの?」ということ。
これは極論わかりません。家が潰れたらそれだけでしばらく避難所で過ごさないといけませんし、家が無事なら翌日すぐに荷物を取りに行ったり在宅避難に切り替えられることもあるかもしれません。
それでもやっぱり「電気の力を使って何がしたいのか」「自分は何があれば満足でどこまで我慢できるのか」が考えるポイントになります。
それともう一つが「持っているアイテムとの兼ね合い」で、もしかしたら場合によっては最低限で済むかもしれませんし、大容量の方が安心かもしれません。以下の例を読んでみてください。
私の場合
私の場合は、軽量で最低限の容量のモバイルバッテリー(後述)を防災ポーチに入れて持ち歩いていて、防災リュックの中には充電用としてA5くらいに折り畳めるソーラーパネルを入れています。

これは、非常時には必要最低限しかスマホは使わない、必要なのはスマホとライトの充電くらい、という想定だからです。
ちなみに、電池式のライトやラジオ、替えの電池もバックアップとして防災リュックに入っていたり、防災ポーチにもソーラー充電型のランタンが入っていたりするので、充電の機会はそれほど多くない&スマホの充電がなくなってもしばらくはライトも情報源も確保できるという状態にしており、この辺りの兼ね合いを考えて今の備えになっています。
防災ポーチ(普段づかいのバッグ)の備え
お出かけ時に被災しないとも限らないので、普段からのお出かけ時にももちろん備えが必要です。
お出かけ時は家族との連絡手段や情報収集としてもスマホが必須になってくるので「普段から外でもスマホを使うことが多い」「すぐ帰ってこれない場所まで公共交通機関や車でお出かけする」などの場合にはモバイルバッテリーを準備しておくのがよさそうです。
そのときに、モバイルでもできるだけ大容量にした方がいいのか、ソーラーパネルや手回し充電がついているものがいいのか、最低限のものでいいのか…がみなさんの悩みのタネかもしれません。
この場合も「電気の力を使って何がしたいのか」「自分は何があれば満足でどこまで我慢できるのか」そして「他のアイテムとの兼ね合い」を考えるだけ。
…なのですが、もしかしたら単純なモノだけでない意識の備えもポイントになってくるかもしれません。
お出かけ時、家族と別行動の場合にはお互いの安否確認や居場所確認、なんとか家に帰ろうと交通手段を調べたりしてスマホをフル活用することが想定されます。若干パニックになって誰かと連絡を取ったりSNSに投稿したりしないと落ち着かない方もいるかもしれません。
しかし、電波が繋がりにくくなることはこれまでの災害で経験してきましたよね。その中で電波を使おうとすると電池の減りがとても速くなりとてもコスパが悪くなります。
例えば、家族と予め非常時の行動や連絡手段、待ち合わせ場所などを決めておいて最低限の連絡だけで済むようにしておいたり、そもそも何か起こる前提で行動していればパニックを防ぎ余計な連絡や情報収集をしないで済むようになるかもしれません。
お出かけ中の被災時にスマホの電池を無駄にしないよう、ぜひご家族と話し合ったりパニックにならないよう心の備えをしておいてください。
私の場合
私の場合、電車や車で遠出するときには前出の10000mAhちょっとの容量の軽量モバイルバッテリーを持ち歩いています。スマホの充電が2.5回くらいできるイメージです。

なぜこれにしたかというと
- 軽くないと持ち運ぶ気にならない
というのが9割くらいの理由です。あとはほんのちょびっと
- 非常時の行動は家族と合意が取れていて焦って色々連絡したり調べたりする予定がない
- いざというとき黙ってひと晩過ごせるくらいの装備がある
- とりあえずいつか家に帰れればそれでいい
という気持ちがあるので、最低限の容量で「軽量」に振り切りました。
本当はソーラーパネルと手回し充電が付いてるものが安心だと思うのですが、過去に「ハイスペックに振り切って重すぎてしんどい」という経験をしたことがあり「これは私には向いていない。防災がしんどくなってしまう」という理由でやめました。
そもそも、普段からスマホは満充電スタートでも夜は2割(多いときで3~4割)くらいしか電池が減っていないので、2回も充電できればOKかなという想定です。
いつも自分が使っている量を把握しておく、というのもモバイルバッテリーを選んだりバックアップの要不要を決めるポイントになりそうですね。
以上の感じで電気の備えの打線を組んでおります!
備えに必要な量や運用のしやすさは人によって違うと思うので、ぜひご自分やご家族と考えて、それぞれに合った備えを考えてみてください。